締結特性試験
本サービスでは、お客様がお使いのねじ部品を当社所有の試験機で試験し、締付けに関する特性値を定量的に求めます。トルク法や回転角法などの締付け管理の基礎データの取得だけでなく、製品の設計段階(ねじ部品・下穴径等の検討)や品質管理、さらには材質・表面処理の変更時等にお役立てください。
締付け時の不具合
ねじ部品は、締めすぎても、締付けが足りなくても次のような不具合が生じることがあります。このことは、製品の故障だけでなく、事故・怪我の原因となるため、適正な締付け管理が重要です。
- 締めすぎた場合
- ねじの破断
- ねじ山の破壊
- 被締結物の変形・圧壊
- 締付けが足りない場合
- 被締結物の遊離・すべり
- ねじ部品の疲労破壊・ゆるみ
締付け管理
ねじ締付け管理方法として、トルク法、回転角法、トルク勾配法等が考案されています。中でも多用されているトルク法では、締付けトルクおよび摩擦係数のばらつきに起因して締付け力(軸力)に大きなばらつきが生じる恐れがあります。トルクが±10 %、摩擦係数が±30 %ばらつくとき、最小締付け力に対する最大締付け力の比は2を超えます。締付け機器のトルク精度は向上していますが、摩擦係数は測定が重要です。
ボルト・ナットの締結特性試験
ボルト・ナットを降伏または破断するまで締付け、JIS B 1084「締結用部品−締付け試験方法」に示される測定項目(締付け力、締付けトルク、ねじ部トルク、座面トルク、締付け回転角)およびボルト伸びの測定を行い、トルク係数、摩擦係数等を算出します。JIS B 1056「プリベリングトルク形鋼製ナット−機械的性質及び性能」の「プリベリングトルク試験」やMIL-N-25027に基づく試験も行うことができます。試験機:NST-500NM(日本計測システム株式会社製)(概要)。
タッピンねじ・ドリルねじの締結特性試験
タッピンねじまたはドリルねじを実製品に実際の回転速度で締付け、おねじまたはめねじが破壊するまでの締付けトルク、回転数、時間を測定します。また、各種インサートや試験用板を用いることでJIS B 1055「タッピンねじ−機械的性質」の「ねじり強さ試験」やJIS B 1059「タッピンねじのねじ山をもつドリルねじ−機械的性質及び性能」の「ねじ込み試験」や「ねじり試験」の一部を行うことができます。試験機:TRQ-20ACU(ベクトリックス株式会社製)。